| ● 肉桂(ニッキ) | |
八ツ橋を口にしたとき、ひろがる独特な香りは、「ニッキ」です。八ツ橋についての考え方は種々あるようで、今やいろんな八ツ橋が店頭に並んでいるようですが、八ツ橋の定義としては、『原料に米のみを使い、ニッキの風味づけをしたもの』と考えております。もちろん、当社の商品は、すべてこの二つにこだわり続けることから始まっております。 ニッキとは、桂皮(けいひ)のことです。桂皮は、ベトナムを原産とするクスノキ科の常緑高木「肉桂(にっけい)」の樹皮(桂皮)を乾燥したもの。 桂皮アルデヒトを主成分とした揮発油による特有の芳香と、甘味と辛烈味があります。粉末、水溶液、アルコールエキスなどにして、主に菓子の香料、また薬品として健胃剤や生薬に用います。 かつて、細根をそのまま切って束ね、「ニッキ」と称して子供の菓子としていたことから、すっかり「ニッキ」の名でお馴染みになりました。 日本では八世紀に、正倉院御物の中に、漢方として「桂心(=桂皮)」が登場しています。 また、十二世紀前半の成立とされる「今昔物語集」に、次の説話が伝えられています。 香りのする木の総称)があり、人々はその地を、桂宮と呼んでいた。その頃、 震旦(中国の古称)より、長秀という 僧が渡来し、その大きな桂木の枝を切ら せたところ、唐の桂木よりも良いものだと言われた。…』 これら諸説の一部をみると、どうやら日本人は古くから肉桂と関わっていたようです。 しかし、実際に日本で肉桂が栽培されるようになったのは、享保年間(1716 ̄36)に中国から輸入されてからのこと。西日本の暖地に植えられましたが、種子繁殖を行った場合、桂皮を収穫するまでに三十年以上要するため、国内生産高では採算が合わず、国内取り扱い品のほとんどを輸入品に頼っています。輸入品については、中国産・ベトナム産が大半を占めています。 |
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