| 当社は、財団法人勤労者リフレッシュ事業振興財団により、平成16年に「ワンモアライフ勤労者ボランティア賞」の「ナイスアシスト賞」を受賞しました。 受賞に際しての社長の挨拶文です。 |
八橋検校は、その名の通り生来目が不自由で、そのハンディキャップを克服すべく努力を重ねた結果が、その業績を生んだ原動力であったと思います。私たちは、聖護院八ツ橋のその「菓銘のいわれ」を言い伝えると同時に、障害のある社会的弱者に対するやさしいまなざしを決して忘れないこと、むしろその人達のお陰で私たちの現在があるということを、家訓としてを守り続けて参りました。そうした先祖から厳しく戒められてきた考え方の一貫で、障害のある方々も積極的に企業に受け入れ、共に学び共に生活するという企業社会をつくって参りました。現在の在籍者は8名になり、業務上有効な戦力であるばかりでなく、むしろ社員全体の精神的な大きな支えでさえあります。さて歴史都市京都は、年間4100万人が訪れる一大観光都市でもあります。ところが近年観光客の量的な集客策よりも、更に質の高い内容の充実した受け入れ体制が望まれております。全国や海外より多数訪問されるお客様が、京都に対して本当に望んでらっしゃるものは、歴史的遺産として「形になって残っているもの」だけではなくて、きっとその中に息づいている「変わらぬもの」であるのではないかと思います。歴史的遺産を生活の中に根づかせ、社会全体で守り育てて行くという、その姿と心こそが、唯一京都が誇ることの出来る財産なのです。 私たちの企業活動は、まさしくこの精神を表現したものと考えております。町衆の文化といわれる強固な地域社会に対する積極的な活動や、伝統文化や行事への主体的な協力、諸文化遺産の伝承への協賛など、私たちが今取り組んでいる色んな課題は、企業活動とは不可分で一体のものであると言っても過言ではありません。 もちろん企業ですから収益を目的とすることは当然ではありますが、いたづらに競争に走ったり、流行や話題性や人気を追い求めることは、私たちの企業姿勢ではありません。素材は、常に伝統的に伝わり、口や目や鼻や五感すべてに感動を与えるものでなければなりませんし、伝わってきた技術はそのまま後世に残して行かなければなりません。社員全員が、顔も心も親兄弟も知り合った仲間同士として、地域の人達と一緒にその活動を行なって行くのです。これほど楽しいことはありませんし、その活動に誇りと自信をもって取り組むことが私たちの企業理念です。 ところで近年特に観光シーズンにおける京都市内の混雑状況は、想像を絶しております。来られる観光客の皆様にも、観光地の混雑、道路渋滞、サービスの低下という大きなご迷惑をおかけし、せっかく来たのにというご不満の声も数多く聞いております。また京都に住まう住民にとりましても車公害、ゴミ処理、環境破壊等決して軽視できない問題が算出しております。そしてその割に経済波及効果は少ないと、指摘する学識者もいます。こうした課題は、都市行政全般にかかわっており複雑な利害関係も含め、総合的に解決を図る必要があります。ただあくまで基本は、もう一度原点に立ち帰り、「伝統文化の継承」「地域社会の安定」という視点で、すべてを見直して行くことが大切だと考えております。 さて、こうした地味な当り前の企業活動がなぜ「勤労者ボランティア」なのか、随分悩みました。はなはだおこがましいことでありますし、他にきっともっと大切な活動をなさっている企業も団体もあろうかと存じます。しかも私たちは、伝統的な遺産に徹底的に恵まれた都市に立地しているという条件の下にもあり、その恩恵を多大に蒙っている訳です。 ただもしお許しいただけるならば、「ボランティア活動」というものについての考え方を転換してみたらどうだろうか、と考えて見ました。個人や社会の特殊な意識的な活動、という視点のみが昨今強調され過ぎていないか、肩肘はらず日常的に行なっている地味な活動にも視点を向けるべきではないか、と考えた次第です。それこそ悠久の息の長い作業ですし、一人では出来ない、地域と業界が一体になって取り組んで行く活動であるがゆえに、地味で当然なように見えながらも、大切なことなのだと思います。 最後になりますが、これからも私たちは、地域の人達と手をたずさえ、培われてきたものすべてを後世に正確に伝えてゆくことで、訪れて頂いたすべての皆様に、ゆっくりじっくりその魅力を味わっていただく町づくりに貢献してゆくことを、社員一同お誓いいたしまして結びとさせて頂きます。 |
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